鎌倉殿の13人

48話。
大河ってどうやって終わるのかな死んで終わるのかなと思ってたんだけど、死んで終わるパターンだった。確かに「鎌倉殿の13人」というタイトルに「これでええんか???でも1人の人間の歴史をずっと追う物語のタイトルって難しいよな〜、人名そのままがいちばん無難ではあるけどそれだと面白味とインパクトには欠けるよね…」とか大河素人なりに色々考えてはいたんだけど、まさか最終回で回収される伏線をそのままタイトルに仕込んでいたとは…恐るべし三谷幸喜。タイトルだけじゃなく、史実をフィクションとして面白くドラマティックに書き起こすという点に於いてもさすがとしか言いようのない見事な脚本でした。1年間ずっとおもしろかった。個人的に最も震えたシーンは、鵯越の逆落としの件で「平蔵、歴史はそうやって作られていくんだ」の台詞を義経に言わせるという(17話)、この!「鵯越の逆落とし」に対する、「大河ドラマ」の脚本家としての三谷流のシニカルとユーモアとリスペクトですよ!!!!この意味がわかっただけでコツコツ予習して大河に臨んだ甲斐あった~~~と思うぐらいのカタルシスを得られた。そして三谷幸喜がすごいのは、別にこんなふうに張り切って予習とかしてない視聴者層にもちゃんとおもしろいと思ってもらえるような脚本になっているということですね。勤勉だったりオタク気質だったりする視聴者には勝手に深掘りして楽しんで貰えるように、この時代のことを何も知らない視聴者にもきちんと楽しんで貰えるように、そこをしっかり意識して丁寧に紡がれた物語だったと思います。(実際わたしは義経退場以降は勉強不足知識不足な状態だったけどちゃんと話についていけたしおもしろかった)
脚本はもちろんのこと、音楽も、そして豪華なキャストの面々も、どれもこれも素晴らしかった。小栗旬は本当にダークヒーローが似合うね…たまらん。
他の大河を知らないから比較のしようはないんだけど、歴史ある大河ドラマの中でも恐らく相当上位に入る傑作だったのではないかなと思うし、こんなにおもしろいドラマをリアルタイムで1年かけて(予習期間も含めれば約2年になる)じっくり楽しめたことはわたしにとって貴重な経験となりました。それもこれも菅田さんが義経という役を演じてくれたからなんですけどね。いやほんと最高の義経だったですよ… わたしのネクスト大河は「主演:菅田将暉」作品だと思うので、その時を楽しみに待っています。そしてそれはきっとそう遠くない未来だと思っている。