トラさん

わたし「フィクションには夢がないと!」っていうタイプなので、そういう意味ではトラさんとても良いファンタジーでした。90分でスッキリ纏まってるのも良い。
以下、ちょっとねたばれっぽい感想。






冒頭から、高畑家いい家庭だな~って思ったし(嗜みの範囲を超えてギャンブルに入れ込んでる時点でわたしに寿々男は無理だけど)毎日「愛してるにゃ~~~~ん」って言ってくれてたっていうことから見ても「突然死んでしまってお互いちゃんと伝えられてなくて後悔している家族」みたいなパターンじゃないんだなっていうことはわかるので、そこの遠回りがないっていうのと(だからこそ90分に纏められたというのもあるかも)(あと、みゆちゃんはちょっとそこの遠回りが描かれていたけど)、遠回りがあった場合に必ず付随してくるモヤモヤがないっていうのが、「突然の死による別れ」を扱っていながらもこの映画を暗いものにしていない要因として大きいなとは思いました。そう、感動するけど暗くはないんだ。もちろん「トラさん」という猫スーツのコミカルな画の力も大きいけど、単純に視覚的なことだけじゃなくて、このお話全体を貫いている空気としては「悲しい」とかよりは「やさしい」「愛しい」というのが芯として太いと思う。
エンドロールで流れる「ずっと君を大好きだ」の意味を思ってまた泣くし、元々「過ぎ行く風は再生させる、この星の仕組み」という歌詞がとても好きだったんだけど、この映画を観終えた後はより一層この歌詞の意味について考えてしまうなぁ。うん、いい映画でした。みったんの初主演映画がこの映画でよかったな。(って、北山担でもなんでもないのにそんなふうに思ってしまう)
あ~~~、あと喫煙最高でしたね。ニートニートニートの時も思ったけど、やはり紙巻きのタバコには情緒がある。電子タバコにはこの情緒は出せんと思うんだよな…