トレース ~科捜研の男~

最終回なかなかスプラッタだったけど、わたしってこう見えて意外とグロ耐性あるんだよな…ってこういう時にいつも思う。(と、このように自分を冷静に客観視する余裕すらある)
ドラマ後半の、真野を武蔵野一家殺人事件の「真実」にどんどん誘導していく流れからして、真犯人の狙いは「生き残りの口を封じること」や「事件を闇に葬り去ること」ではなく「生き残りに自ら真実に辿り着かせて精神的苦痛を与えること」であり、むしろこういう状況を見越して「生き残り」を敢えて「作った」んだろうな~(ゲームみたいなものとしか思ってないんだろう)っていうところまでは容易に想像がついていたので、まあ荻原先生かジュニア刑事部長のどっちかがサイコパス的なアレなんでしょうと思いながら最終回見てて、ストローを持ち去る真野を「絶対ガラス越しに見てるーーー」って思ってたらやっぱりそうでw、その時の先生の表情で全部わかった、ってかんじですね。ここで笑ってたら先生がサイコパス、笑ってなかったら先生は傀儡、だと思ってたので。結果後者だったと。
本当にめちゃくちゃ後味わりーーーな!!!!ってかんじだけど、わたしって意外とこういうラストも嫌いじゃないんですよね。刑事部長が「植物状態」(みたいなもん)だったところも非常に良い落としどころだなと感心したぐらいだったんだけど、なーーーんでその刑事部長を最後の最後に目覚めさせてしまうかね???っていうところが納得いかん。いや、だって、目覚めさせる意味って物語的には全くなくない?一連の事件は全て白日の下に晒された、なんの救いもなかった、この話に続きなんてない。はい、おしまい。っていう状態なのに無意味に「続き」を予感させるような「目覚め」を与えてしまったのは、単にそのほうが視聴者の恐怖心を煽れるからだろうなって思うんだけど、たったそれだけのために目覚めさせることでこのドラマの良さがいっきに損なわれた気がしてわたしは白けてしまったー。はぁ、勿体無い。普通にシュコーシュコーって人工呼吸器の音が淡々と鳴ってるだけのシーンで終わりでよかったんだよ。そのほうが不気味な余韻が続くし。個人的に、バッドエンドならバッドエンドでもそれが「見事…」と思わせてくれる終わり方なら全然いいんだけど(BORDERとかクライシスとかもそう)(BORDERは最高のバッドエンドだったのに続編きて白けたけど)、そういう意味ではちょっと中途半端だったなトレース…って気がしますね。最終回自体はめちゃくちゃ良かっただけに、そのあたりがほんと勿体無い…